将軍と皇女 一 万延まんえん元年(一八六〇)五月――梅雨の晴れ間のひどく蒸し暑い日である。 それでも久しぶりに太陽が姿を見せたので、家茂いえもちは吹上庭園の御花壇馬場おかだんばばで大好きな乗馬に精を出した。 この頃の天気同様、一向に気分が晴れな…
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